圧倒的カリスマ性で男性にも女性にも人気のある椎名林檎のデビュー20周年記念のトリビュートアルバム「アダムと林檎」が発売されました。
スピッツ、ミスチル、アジカンからのスペシャルバンド「the うらしま’S」から井上陽水、レキシ、松たか子、私立恵比寿中学まで!
とても個性が豊かで豪華なアーティストが椎名林檎の曲をカバーしていました。
初めて聴くアーティストも多かったですが、このアルバムをきっかけに素晴らしいアーティストに出会うことができました。
とても素晴らしいトリビュートだったので全曲レビューします!
目次
正しい街 / the うらしま’S
Vo 草野マサムネ(スピッツ)
Gt 喜多建介 (ASIAN KUNG-FU GENERATION)
Ba 是永亮祐 (雨のパレード)
Dr 鈴木英哉 (Mr.Children)
そして、東京事変でもお馴染みの亀田誠治がプロデュースという90年代からの音楽ファンにはヨダレ物のスペシャルなバンドです。こんだけ色濃いメンツでも、さすがは草野マサムネ。
彼が歌うと途端にスピッツ色が増しますね。笑
椎名林檎が歌う「正しい街」は夜の華やかな繁華街が静まって、早朝の静けさの中、繁華街に生きる女性が1人の女性に戻ったようなイメージだったのですが、the うらしま’sが演奏すると途端に夕方の街の中ってイメージになりました。
さすがベテラン揃いのメンバーだけあって、かなり完成度の高いカバー曲になっています。
良いトリビュートアルバムの始まりなんじゃないでしょうか。
丸ノ内サディスティック / 宇多田ヒカル&小袋成彬
これはなかなか面白いカバーです。
椎名林檎が歌うこの曲はそれこそキャバレーの中で歌っている風景が頭に浮かんていたのですが、宇多田ヒカルとと小袋成彬が歌うと高級クラブで歌っているような風景が頭に浮かんできます。
キャバレーも高級クラブも行ったことはないんですが、、笑
まぁ、イメージってことで。笑
同じ大人の女性が放つ艶やかな色気があるんだけれど、こうまでも曲の印象が変わるんですね。
幸福論 / レキシ
ソロなのかグループなのかわからないぐらいレキシっを知らなかったのですが、だいぶファンキーなサウンドを聴かせてくれますね。
でも、曲の持つポップさを引き立たせるようなアレンジで結構好きです。
初めて聴いた時に、「なんか星野源っぽい」って思いました。
チアガールみたいな格好した女性のバックダンサーがいて、踊りながら歌っても、あまり違和感がなさそう。笑
完全に星野源の「恋」ですけどね。笑
シドと白昼夢 / MIKA
海外からのゲストミュージシャン。
ロンドン在住で、フレディーマーキュリーやエルトン・ジョンと比較されることが多いシンガーソングライターだとか。
元々、可愛らしいアレンジのポップな曲でしたが、カバー曲はボサノバ調で歌声も柔らかく、さらにポップさが際立っています。
雑貨屋やカフェ、美容室に流れてそうな曲に仕上がっています。
茜さす帰路照らされど・・ / 藤原さくら
確かスピッツの「春の歌」をカバーしていたのも藤原さくらさんでしたよね?
なんかその時の印象が、、しかも少し誇張されて残っていたのでアコースティックギターで可愛らしい女の子が歌うイメージがあったのでしたが、いい意味で裏切られました。
都合のいい身体 / 田島貴男(ORIGINAL LOVE)
ジャズテイストのアレンジで、このアルバムの中でも渋い一曲になっています。
ジャズっていうよりも50年代のロックっぽいのかな?
どんどん曲のテンションが上がってくるので聴いていると、お酒を飲んだ時のような高揚感を感じます。笑
ここでキスして。 / 木村カエラ
このアルバムの中でも1番ぐらい原曲に忠実にカバーですね。
「あまり崩さないでー」って人には良いのかもしれないけれど、個人的には少し物足りなかったかな。
癖のない「ここでキスをして。」って感じです。
木村カエラファンごめんなさい。
演奏は東京事変でもキーボードを弾いていた伊澤一葉が演奏しているので、そこも東京事変ファンは注目ですね
すべりだい / 三浦大知
今、人気の三浦大知ですね。
気持ちいいリズムトラックと心地いい三浦大知の歌声を、うまく椎名林檎の曲とうまく融合していますね。
歌って踊る三浦大知が頭に浮かんできます。
なんとなくだけれど、Aメロ、Bメロのメロディーラインが90年代のポップミュージックっぽさもあるので、三浦大知にはかなりマッチした選曲なんじゃないかと思います。
本能 / RHYMESTER
「俺らがカバーしたら、こうなるよ!」っていういい意味で期待に応えてくれるカバーです。
「本能」のサンプリングをバックに宇多丸とMummy-Dの掛け合いが熱いです!
原曲の「本能」また違った格好よさ。
曲に色を付けるなら、赤と黒と行った感じでしょうか。
罪と罰 / AI
椎名林檎が日本刀で車を一刀両断するPVが話題になっていましたね。
でも、さすがはAIの歌声、椎名林檎みたいなやさぐれた感はないけれど、パワフルな歌声ですね。
正直、「AIのパワフルな歌声はこの曲にマッチするのか?」って思っていたんですが、いざ聴いてみるとちゃんと自分の曲にしていますね。
椎名林檎が歌う原曲だと、歩き去っていく女性の孤独さみたいのを感じたけれど、AIが歌う「罪と罰」は取り残された女性の子のようなものを感じました。
カーネーション / 井上陽水
宇多田ヒカルの曲をカバーしていた時もそうだったけれど、今回も相変わらず我が道を行くですね。
完全に自分の曲にしちゃっています。笑
というより、飲み込んじゃっていますね。笑
何も言わないで、井上陽水のアルバムに入っていたら、カバー曲だって気づかないかも。
まぁ、神々の遊びということですね。
自由への道づれ / 私立恵比寿中学
僕はあまりアイドル音楽は聴かないので、聴くまでは「なんでこのメンツの中にアイドルが、、」と思っていましたが、聴いてみたらこのアルバムの中でも結構お気に入りの1曲になりました。笑
同じ曲でも、少し浮世離れした椎名林檎の曲が、10代?の女の子が歌うことで、等身大の女の子の曲になった気がします。
NIPPON / LISA
LISAが歌う「NIPPON」も私立恵比寿中学が歌う「自由への道連れ」と同じような理由で結構好きな一曲でした。
全体的なアレンジは原曲に忠実でしたが、声を張りながら細かいビブラートを効かせる歌い方が結構好きでした。
若い頃の椎名林檎は「ちょっと近寄りがたいロックな姉ちゃん」って印象でしたが、LISAさんは「おばあちゃんにも好かれるロックな姉ちゃん」って感じ。笑
ありきたりな女 / 松たか子
このメンツの中に松たか子。
そして、このアルバムの締めを勤めるのが、松たか子ですね。
さすが女優さん、曲を聴き終えた時に「ミュージカルだなぁ。」みたいな。笑
このカバー曲を最後に持ってきたのは良かったと思います。
この曲で「アダムと林檎」という物語が綺麗に締まりました。