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夜中に読むのをおすすめできない 本当に怖いホラー小説10選

夏になるとヒヤッとした体験がしたくて、ホラー作品を手に取ったりすることも多くないでしょうか?
僕も夏になると無性にホラー小説を読みたくなります!笑
実はホラーは苦手なんですが、ホラー小説って、読みやすかったり、謎が解けていくミステリー要素もあるので、読み始めると止められなくなっちゃうんですよね。

背筋をゾッとさせてしまうけれど、読むのを止められないホラー小説のオススメを紹介していきます。

ぼぎわんが、来る

ぼぎわんが、来る

あらすじ

幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか…。

引用元:amazon

表から見るか裏から見るかで全く違う見方に変わる

「告白」や「嫌われ松子の一生」を監督した中島哲也によって映画化され、ホラー映画界を賑やかせた映画「来る」の原作です。

映画版では伊集院光に「ホラー映画のシンゴジラ」と評されていましたが、映画版と小説版は持っている雰囲気が全然違います。

映画版の方では中島哲也色が強く出ていて、ホラー要素はあまり濃くないように感じましたが、原作の小説はかなり不気味で怖いです。

物語の序盤の終わり頃にある一言をきっかけに物語がガラリと展開されるのですが、その一言を読んだ後思わず数ページに読み直してしまいました。

夜中寝る前に本を読んでいたのですが、その言葉の意味がわかった時に久しぶりにトイレに行けなくなるのほどの恐怖に襲われました。笑

某ネット掲示板で有名な「尺八様」や「リゾートバイト」のようなホラー話が好きな人にオススメしたいホラー小説です。

ずうのめ人形

ずうのめ人形<

あらすじ

不審死を遂げたライターが遺した原稿。オカルト雑誌で働く藤間は、作中に登場する「ずうのめ人形」という都市伝説に惹かれていく。読み進めるごとに現実に現れる喪服の人形。迫り来る怪異を防ぐため、藤間は先輩である野崎に助けを求めるが―はたしてこの物語は「ホンモノ」か。

引用元:amazon

不審者を遂げたライターの家に残された読むと呪われる原稿

ぼぎわんが、来る」で作者である澤村伊智さんの書く文章に魅了されて、ぼぎわんの後に続けて、一気読みしてしまいました。

ホラーとか差し引いても「ぼぎわんが、来る」は相当面白かったので、期待のハードルはかなり高かったのですが、余裕で超えてきてくれましたね。笑

ホラー要素は「ぼぎわんが、来る」と比べると若干薄めなのですが、ミステリー要素が強く、呪いの正体がなんなのか気になって、ぐいぐいと読まされてしまいました。笑

「リング」とか「残穢」がツボな人に是非オススメしたいホラーです。
最後、「えーっ!そうだったの」って思わせるドッキリもあったり、、

どこの家にも怖いものはいる

どこの家にも怖いものはいる

あらすじ

三間坂という編集者と出会い、同じ怪談好きとして意気投合する作家の三津田。その縁で彼の実家の蔵から発見された「家」に関するいくつかの記述を読むことになる。だが、その五つの幽霊屋敷話は、人物、時代、内容などバラバラなはずなのに、奇妙な共通点が…。しかも、この話を読んだ者の「家」には、それが訪れるかもしれないらしい。

引用元:amazon

時代も内容も全然違うはずなのに、奇妙な違和感がある

作者である三津田信三さん本人がこの本の主人公であり、奇妙な話に巻き込まれていくという展開なのでいまだにこの本がフィクションなのかノンフィクションなのかがわからないです。笑

向こうから来る 母親の日記
異次元屋敷 少年の語り
幽霊物件 学生の体験
光子の家を訪れて 三女の原稿
或る狂女のこと 老人の記録

5つの話の体験談と間に三津田信三さんと編集者、三間坂さんの物語の推測が挟まれるという構成です。

普通の小説とは違い、ドキュメンタリーのようなタッチで物語が展開するので、この本を読んでいる自分も物語の渦中に巻き込まれているのんじゃないかと、読み終えた後に不安になる恐怖が残ります。

そういえば、テレビのコメンテーターでも知られる社会学者の古市憲寿さんもこの本に関して、「滅茶苦茶怖かった。怖すぎて読みふけってしまった」とコメントしています。

あまりホラーのイメージがなかったので、ちょっと意外でしたが、、笑

でも、1人に夜読んだらちょっとした物音でもめちゃくちゃ震えてしまうと思います。
夜に読むのはお控えを。

天使の囀り(さえずり)

天使の囀り

あらすじ

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?

引用元:amazon

苦手なもの克服するという幸福感から突き落とされる絶望

読書家さんの中でも、ある意味有名な「天使の囀り」。

今まで紹介したホラーとは毛色が変わり、人間が異常行動を起こすバイオホラー
今まで苦手だったものが、あることをきっかけに克服し、その幸福感からか苦手だったものを異常なまでに愛でてしまうという、、

う〜ん、、これは今まで読んできた本の中でも随一のエグいというか気味が悪いというか、、
幽霊的な怖さじゃないだけに、この本に起きることが実際に起きてもおかしくないというリアリティーがあります。

とりあえず虫が苦手な人にはあまりオススメできないですね。笑

残穢

あらすじ

人が変死した家屋や集合住宅などのいわゆる「事故物件」について、不動産業者は次の入居者に告知しなければならないし、そういった物件の情報を提供するサイトも広く知られている。誰しも、自分の住む家で過去におぞましい事件があったと知れば厭な気分になるだろう。小野不由美の第二十六回山本周五郎賞受賞作『残穢(ざんえ)』は、そんな事故物件への忌避感という人間心理を刺激する、史上最恐クラスの怪談小説だ。

小説家である「私」は、読者の久保さんという女性から、彼女が住むマンションで起きている奇怪な現象について記された手紙を受け取る。「私」は久保さんとともに真相を探りはじめたが、調べれば調べるほど、怪異の連鎖は時空を超えて拡大してゆく。恐怖の因縁は、いつ、どこで始まったのか?

引用:amazon

引越しを考えている方は絶対読まないでください!

元々は読者から寄せられた些細な怪奇現象から、具体的にどうして怪奇現象が起きるようになったのかというのを探っていく話です。

なので、本を読んでいるときはホラー小説を読んでいるというよりはミステリー小説を読んでいるような感覚で怪奇現象の奥にどんどん足を歩めてしまう。
本の中で「自分が住んでいる部屋の以前の住人を調べる人なんていない。自分が住んでいた土地でどんなことが起きていたのかを調べる人はいない」みたいな話が出ていて、言われてみれば、確かにそうですよね。。

部屋を探すときに何か事故があった部屋があったかとかは不動産屋さんに質問することはあるかもしれないけれど、もしかしたら土地そのものに穢れが残っているかもしれない。
そう考えるとこの本を読んでいるときよりも読み終わった後の方が、恐怖を感じました。

実はちょうどこの本を読んでいたときに引越しを考えていて、いろんな部屋を見て回っていたのですが、そんなことを考えているときにこの本は絶対読んではいけません。笑
部屋の中にちょっと見える陰りが、何か過去の歴史から残された穢れのように感じてしまうかもしれません。

ぼっけえ、きょうてえ

ぼっけえ、きょうてえ

あらすじ

岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。

引用元:amazon

人間が作り出す地獄

タイトルと表紙が底知れぬ不気味さが漂わせています。

この「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山弁で「とても怖い」という意味だそうです。
なんだろう?この怖さって「怖い」なんだけど、「ぼっけえ、きょうてえ」という事がすごい合っていて、この馴染みのない言葉のパッと見た時に意味がわからないんだけれど、なんだか良くないものだっていうのが伝わってくる怖さです
ゾクッとするような怖さじゃなくて、梅雨のじんわりしたような気持ち悪さがまとわりつくような怖さを求めるならばオススメです!

実はこの作品は、アメリカの海外ドラマで実写化もされています。

インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜
アメリカではその残酷さに放送が中止になってしまったようです。
この画像でも分かる通り、かなり痛い表現も多いです。

4篇の短編からなる物語なのですが、気持ち悪いってイメージを詰め合わせたような話です。

祝山

祝山

あらすじ

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。ネタが拾えれば、と軽い思いで肝試しのメンバーに会った鹿角。それが彼女自身をも巻き込む戦慄の日々の始まりだった。一人は突然の死を迎え、他の者も狂気へと駆り立てられてゆく―。著者の実体験を下敷きにした究極のリアルホラー。

引用元:amazon

心霊スポットへの肝試しの疑似体験

こちらの話も「どこの家にも怖いもはいる」の様に作者が体験をベースに描かれた実話怪談です。

派手な幽霊や怪奇現象はないものがそれが逆にリアリティーを増して、気味が悪いです。

祝山って言葉だけを見ると、明るい意味を持つように感じられるけれど、本当の意味を知るとなんてところにゾッとします。
一応書いとくと「呪」という言葉とは関係なかったです。笑

文章はとても読みやすくて、ホラー小説の中でもさらっと読める方かも知れないですが、、ネットの恐怖体験とかを読む人が好きな人にオススメです。

肝試しなんて行くもんじゃないですね。

黒い家

黒い家

あらすじ

顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。それが悪夢の始まりだった。

引用元:amazon

人間性が欠如したサイコパスの恐怖

サイコパスな人間を書かせたら貴志祐介の横に出る作家はいないと思う。笑
一部では「最恐ホラー」とも呼び名が高い黒い家です。

夜中の仕事明けに車の中で電子書籍で読んでいたのですが、ある意味このシチュエーションはこの本とは相性が悪かったです。笑

この本読んでいる時に夜中に車をドンって叩かれたら、軽く死を覚悟します。笑

幽霊や超常現象的な怖さではなく、金のためだったどんな手段でも構わない。
欲望のためなら、どんなことでもやってしまう人間性が欠如したサイコパスが繰り広げるサイコホラーです。

実際の事件をモデルにした話をウシジマくんとかでも使われていますが、黒い家でもまさにその類の話でフィクションだと思いきれない、自分の身に起きてもおかしくないという怖さがあります。

実際にこの本が出版された翌年に和歌山県で起きたカレーに異物混入させた事件と内容が酷似していて、当時話題になったそうです。

まさにジェットコースターのように静か静かに登って、後半は恐怖の底にものすごい勢いで落ちていきます。笑

東京都二十三区女

東京都二十三区女

あらすじ

ライターの原田璃々子は、二十三区のルポを書くため、いわくつきの場所を巡っていた。自殺の名所と呼ばれる団地、怨念渦巻く縁切り神社、心霊写真が撮れた埋立地、事故が多発する刑場跡…。後ろ暗い東京の噂を取材する璃々子だったが、本当の目的は、同行する民俗学講師・島野の秘密を探ることだった。心霊より人の心が怖い、裏東京散歩ミステリ。

引用元:amazon

オカルトを通して、東京の歴史を知ろう!

いっとき話題を集めた「放送禁止」で知られる長江俊和によるホラー小説です。

見えざるものの気配を感じるライターの璃々子と民俗学講師の島野が各区を散歩しながら暗い東京の歴史を明かしていくという短編集なのですが、実際に起きた事件や歴史を絡めて話が進んでいくので、単なるホラーではなく、東京の歴史について、非常に勉強になるのが面白い。

なぜゴミの埋立地である夢の島が「夢の島」と名付けられたのか?
なぜ「お台場」は”お”と付いているのか?

ホラー小説だけどGoogle Mapを広げながら、「この場所ではこんなことがあったんだ」って思いながら、今まで何気なく訪れていた場所もちょっと違った視点で見ることができるかも。

まさにオカルト版ブラタモリです。

まとめ

実はこの記事を夜中に暗い部屋で書いているため、何気に書きながら小さな物音にビクビクしながら書いています。笑

こういった想像力を掻き立てるのが、映像にはないホラー小説の怖さであり魅力だと思っています。

だけど、ホラー小説って皮肉にも次へ次へと読むのを止められない魅力もあると思います。

気になるホラー小説があったら、まず手にとって、その魅力に取り憑かれください。笑

 

 

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